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中小企業経営者が身に付けるべきタイムマネジメントの技術

2021.07.20

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やりたいことがたくさんあるけど、時間がない

中小企業経営者は、経営のあらゆる機能を担わなければなりません時間が足りずにやりきれないという言葉をよく聞きます。
そこで、今回は経営者が身に付けるべきタイムマネジメントの技術を紹介したいと思います。

目次

そもそも「時間」とは何なのか?

深く考えたことがある方は少ないのではないでしょうか?
「時間」は誰もが平等に当たり前に与えられているという感覚があります。
しかし、「時間」には、当然に限りがあります。誰でもいつか最後を迎えることは確実です。それがいつになるのかがわからないだけです。最後があるということは、「時間」は限られているのです。

つまり、そういう意味では、「時間」=「命」であると言えるでしょう。
私たちは日々、命を削りながら生きている言っても過言ではないと思います。
この事実をしっかりと認識することが、タイムマネジメントにおいて大変重要な土台になる考え方です。
限りがあるのであれば、より大事にしなければならない
そう思うからこそ、本気になってタイムマネジメントをしようという気が起こるのです。

時間の使い方

タイムマネジメントの技術の一つに、「緊急性」と「重要性」を軸に4つの象限に分けてやるべきことを整理する考え方があります。これをプライオリティマネジメントと言います。

図1:プライオリティマネジメント(出典:アチーブメント株式会社)

緊急で重要でもある「第一象限」、緊急ではないが重要な「第二象限」、緊急で重要でない「第三象限」、緊急でも重要でもない「第四象限」の4つに分けます。
この4象限の中で、成果創出において最も重要なのは「第二象限」です。経営者がいかに第二象限の時間を取るかで会社の成果は変わってきます。
緊急性がないため、後回しになりがちですが、中長期的な成長のためには大変重要な事項です。
経営においては、下記のようなものが該当するのではないかと思います。

  • 採用
    人がいなくなってから緊急的に行う採用活動は、「第一象限」になります。「第二象限」にあたる採用とは、中期戦略に基づいて計画的に必要な人材を採用する活動です。新卒採用はこのような計画採用の代表と言っていいでしょう(参照:コラム「中小企業の新卒採用」)。
    企業は人なり」と言いますが、いい人材を採用することは中期的な成長の大きなカギになります。

  • 育成
    育成に力を入れたからといって、すぐに結果が出るものではありません。しかし、育成に強みのある会社は必ず伸びます。
    まずは入り口管理、採用でいい人材を獲得することが重要ですが、その後の育成の仕組みがあるかないかで大きな差が出ます。
    育成も第二象限であり、ここに時間を取れる会社は必ず成長します。

  • 商品開発
    商品開発も同じく、すぐに結果を出せるものではありません。
    しかし、経営環境の激しい変化を前提にすると、既存の商品が永続してニーズを満たすものであり続けることは難しいでしょう。また、既存商品の陳腐化は新しい商品のニーズを顕在化させるという意味ではチャンスでもあります。
    企業は「環境適応業」と言われます。経営環境に適応して、新しい価値を創造するためにイノベーションを起こさなければなりません。
    商品開発も第二象限であり、永続的な成長においてはなくてはならない重要な戦略です。

他にも第二象限と言えることは多くありますが、上記も含め日々の忙しさによって第二象限に取り組めていない中小企業経営者は多いと思います。

どうやって第二象限に時間を割くのか

このように、成果創出のためには第二象限に時間を割かなければなりません。
それでは、どうやったら第二象限に時間を割くことができるのでしょうか?
まずは自分の時間の使い方を見直すことだと思います。
プランニングの時間を取ることです。
プランニングはスケジューリングとは違います。プランニングは、目標達成のために必要な時間を捻出するために行います。予定を整理するスケジューリングとは違い、成果創出を目的とします。したがって、成果創出において最も重要な第二象限の事項を実施するためには、プランニングが欠かせません
プランニングによって、予定の中に第二象限の時間を入れて、日々実践し見直していく必要があります。

一番効果的なタイムマネジメントの技術とは?

とはいうものの、日々忙しく働かれている経営者の方にとって、第二象限に力を入れるのは大変難しいと思います。
緊急的に対処しなければならないことも多く、第一、三象限に時間を取られることも多いでしょう。

忙しい経営者がどうやって第二象限に時間を割くのか?

最善のタイムマネジメントは「人の力を借りること」です。

特に第一象限は重要性が高いわけですから、やらないわけにはいきません。
しかし、果たしてそれは経営者しかできないことでしょうか?
社員に任せることはできないでしょうか?

経営者は、より重要性の高いことに集中する環境を作るべきです。経営者にしかできないことがあるからです。
第二象限に経営者が集中するためには、社員の協力が欠かせません
一人ですべてを賄おうとするのではなく、人の力を借りることで、永続的発展のための最重要項目に時間を割くことができるのです。

貢献の人生を生きること

最善のタイムマネジメントとは、「人の力を借りること」です。
自分だけでは限界があるということです。
しかし、何も差し出していないのに、何かを与えられることはありません。
他者貢献が先です。

中小企業経営者は、多く機能を自ら発揮しなければなりません。

営業、製造、人事、経営管理、商品開発etc…

初めは自分でやらざるを得ないところもありますが、会社が大きくなればこのような状態で第二象限に時間をかけることは難しいでしょう。
そして、限界が来た時に会社の成長は止まり、衰退がはじまります
そうなる前に、社員の力を借りて業務を任せる覚悟が必要です。
そのためには、まず社員のために自分が何ができるかを考えるべきでしょう。そして、社員が望んでいることを聞き、活躍できる自己実現の舞台として組織を整えていく必要があります。
社員への貢献を前提に、第二象限に時間を割ける環境を作ることは、大きな成果創出への第一歩だと思います。

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