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中小企業において、戦略的に人材採用を行っている会社は少ないように思います。
新卒なのか中途なのか?
必要な人材の要件は?
人が足りなくなってから採用活動をしていないか?
採用には多大な時間とお金がかかります。
しかし、中小企業では人事部があるわけではなく、社長自らが採用活動の先頭に立っていることも少なくありません。また、投資できる資金も限りがあります。
限られた資源の中でいかにいい人材を採用するのか。本日は中小企業の採用について書きたいと思います。
目次
人材教育は大変重要なテーマです。
しかし、採用に力を入れるのが先になると思います。技術的な能力は教育によって身に付けられますが、「素直さ」や「誠実さ」などの素養は社会人になってからは教育で伸ばすことは難しいところがあります。
もともと素養のある人材を採用し、教育によってさらに伸ばすことを考えるべきでしょう。
また、教育の前にもう一つ考えたほうがいいのが、「適材適所」での人材活用です。つまり、配置を考えるべきです。その人の強みが活かせるようなポジションを与えているか考えるべきでしょう。
「好きこそものの上手なれ」ですので、強みを中心に配置を考えると、教育を施さなくても主体的に成長していってくれます。
したがって、組織は「採用」⇒「配置」⇒「教育」の順番で力を入れるべきだと言われています。
「採用」つまり入口管理が、組織を作る上で最重要になるということです。
それでは、どんな人を採用したらいいのでしょうか?
それは「御社にとって必要であり、御社にとって能力の高い人」です。
つまり、それぞれの会社にとって理想的な人材像は違うということです。
まず、自社にとって必要な人材とはどんな人材なのでしょうか?
これは、事前に洗い出しておく必要がありますが、「想定組織図」を作ることをお勧めします。
想定組織図とは、3年~5年後の理想的な組織図のことで、現在の人員からは描きません。中期計画を達成するために必要な組織上の機能を考え、ポジションを新しく作り、任せる人材に求められる能力などを考えます。
これに基づいて、足りないポジションを採用、配置、教育の順番で補填することを考えます。
このような採用要件は、短期的に人材が足りなくなってから採用活動を開始していては満たせなくなります。事前に必要な人材を洗い出し、時間をかけて探すことが重要になります。
次に、自社にとって能力が高いとはどのようなことでしょうか?
「大手で管理職をやっていたので、能力が高いと思って採用したが、まったく実務ができず辞めてもらった」
中小企業ではよく聞く採用の失敗例です。
このようなケースで、採用した大手企業出身の管理職の方は、能力が低いのでしょうか?
これは、「能力」をどのように定義するかということだと思います。
大企業で求められる管理能力は、各部署間でのネゴシエーションの能力であったり、わかりやすく資料を作成し全社的な合意を得るようなプレゼンテーションをができる能力だったりします。しかし、このような能力は、中小企業ではあまり活かせません。
中小企業の管理職は、もっと本質的な役割を担うことを求められます。経営者により近い存在として理念浸透を図ったり、部下をモチベートするために泥臭い相談ごとに答えたりする能力が必要になります。
つまり、自社にとって必要な能力を備えていることを「能力が高い」と判断するのであって、一般的に見て知識レベルが高いことや出来ることが多いことで判断するものではないということです。
それでは、そのような人材を見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?
面接での見極め方ですが、効果的な質問やその他面接手法については様々あります。ここではそれらについては記載しませんが、一つだけ言えることは「面接中に採用を迷ったら採らない」ということです。
面接のたった数時間の間に起こったことは、後で必ず顕在化します。例えば、面接に遅刻してくる、話が論理的でなくかみ合わない、何かイライラしているように見えるなどです。迷った段階で結論は出ています。採用すべき人は迷いなく即決できる人です。
ここで、「この人を採用しないと実務が回らない」などの理由で迷いが出ているのに採用してしまうと、後で必ず不具合が出ます。だから、採用は人が足りなくなってからではなく、事前にできれば通年で行うべきなのです。
このように、人材を厳選して採用することが重要ですが、そのためには募集に時間とお金を掛けないとなかなかいい人材が目の前に現れることがありません。
特に中小企業において、この問題は深刻です。
上記の通り、人材採用に妥協はあってはなりません。
中小企業には採用に掛ける資源が限られていますが、有効な採用方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
下記に工夫次第で採用活動の効果性を高める方法を挙げました。
採用は時間も手間もかかります。ついつい後回しになり、人が急に辞めるなど緊急事態になって初めて動く会社は中小企業では多いと思います。
社員が活性化してる会社は必ず豊かになります。会社が自己実現の場であると思えるからこそ、社員は活性化し主体的に成果を出すための動きをします。
自社が自己実現の場になるような人材を採用すべきです。
良い人材を採用するためには、採用に重要感を持ち事前に対応する必要があります。つまり、会社の戦略や成長速度に合わせて採用計画を立てることになります。
人材採用は計画的に事前対応で行うべきですが、これは経営全体の計画と合わせて考えるべきです。
「組織は戦略に従う」
戦略を明確にし計画を立て、そのための組織を作る。そして、組織作りの中で最重要な課題が採用です。
経営計画立案とともに採用計画についても重要感を持って取り組んでいただければと思います。
弊社では、経営計画立案についての支援を行っています(参照:コラム「絵に描いた餅にならないための経営計画の作り方」)。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。