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ブラザシップコラム Brothership Column

経営ノウハウ

中小企業経営者が身に付けるべきコーチングの技術

2021.07.09

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職場におけるマネジメントにおいて、コーチングの技術が注目されています。

上司部下の関係でひと昔前のように、「いいから言われた通りにやればいい」「背中を見て覚えろ」といったことは推奨されなくなってきました。
しかし、それでは成果が出ないと思われる上席者の方も多いと思います。このような問題を解決するためにコーチングが注目されているのです。

それでは、コーチングとはどのような技術なのでしょうか?

目次

コーチングとは?

コーチングとは、対話を重ねることを通して、クライアントが目標達成に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセスである。

「コーチングの基礎」/コーチ・エイ著

コーチングというと「傾聴」や「質問」などがクローズアップされることが多いですが、これらは単なる手段にすぎません。
コーチングの本質は目標達成を支援することであり、成果思考がとても強いものです。ただ聞くだけ、質問するだけでは、コーチングではないということです。

「目標」にはどんな種類があるのか?

コーチングが目標達成を支援する技術だとして、この「目標」とは何なのでしょうか?
コーチングでは、目標を下記の3つに分けて考えます。

  • Hope toの目標(憧れの目標)
    熱しやすく冷めやすい目標。心の底から何としても達成したいと思っていない可能性があります。内心では実現しないだろうと思っていることも。
    本気かどうか確かめる必要があります。
  • Have toの目標(しなければならない目標)
    達成しなければ発生するであろうマイナスの出来事を回避するために設定されるような目標。下記Want toの目標に引き寄せる必要があります。
  • Want toの目標(真に達成したい目標)
    達成することで手に入るプラスの出来事を追求するために設定された目標。コーチ(コーチングをする人)がクライアント(コーチングを受ける人)に語ってほしい目標はこれです。

中小企業において設定されがちな「目標」

中小企業において経営者がよく悩まれているのが、社員の目標が「Have toの目標」になってしまうことだと思います。
トップダウンで目標が設定されていたり、強烈な営業ノルマがある場合には、Have toの目標になりやすいと思います。

目標設定は、主体的に行う必要があります。

自分で目標を決めた場合、低い目標になってしまうのではないかと懸念されると思います。しかし、それは目標達成を評価と連動させた場合です。
もちろん、評価の基準となる定量的成果は公平性を担保するためには必要になります。しかし、主体的に設定した目標は、このような評価基準とは切り離して考えるべきでしょう。
持っている能力では達成が少しだけ難しいところに目標を設定することで成長が実現します。高すぎても低すぎても成長は起こりません。そう考えると、人によって成長できる目標値は違うわけですから、一律に設定すべきではありません。

自ら成長できると思う目標を主体的に設定することが重要です。

また、その目標を達成することで何を得たいか、「目的」を明確にすることも重要です。

「昇格してもっと経営者に近いところで仕事をして、経営について学びたい」

「誰よりも成果を出して、お世話になった人に恩返しがしたい」

人によって目的は違います。
その目的をかなえるために目標を達成する必要があると思えば、本気になって目標達成に動くものです。

Have toの目標をWant toの目標にするには、評価の仕組みを整えるとともにコーチングの技術を使い「目的」をかなえるための目標を主体的に立ててもらうことが重要です。

目標達成のためのコーチングの技術

Want toの目標の設定を促し、成果を創出するためによく使われるコーチング技術のうち、代表的なものを2つご紹介します。

  1. 傾聴の技術
    単に何かを聞くということではなく、社員が何を言わんとしているのか、あるいは、その発する言葉の言外にある本質は何なのかを聞き分け正しく理解することです。
    本当に望んでいることは何なのか?真の目的は何なのか?そこから見える目標は何なのか?
    言外にある本質まで見極めて聴いていく必要があります。

    (聴くためのポイント)

    聞くことに集中する
    ⇒自分が話すことよりも相手に話をさせる環境をつくることに集中する。

    相手の話の先読みや、結論の先取りをせず、最後まで聞く
    ⇒途中で口を挟まない。先入観を持ちすぎない。

    相手のノンバーバル(非言語)な情報を受け取る
    ⇒表情、しぐさ、声のトーンなどから情報を得る。

    「聞いている」というサインを送る
    ⇒相づち、うなずき、表情や目線で相手を安心させることでより多くの情報を共有する。

    沈黙を共有する
    ⇒相手が沈黙している時間は、新しいアイデアや正直な気持ちに向き合うために必要な「間」としてとらえる。
  2. アクノレッジメント(承認)の技術
    「だから成果が出ないんだろ!」
    「そんな目標でいいと思っているのか!」
    「なんでそんなこともできないんだ!」

    そんなことを社員に言ったこはないでしょうか?
    結果はいかがでしたか?
    さらに萎縮されてしまい、成果は出なくなったのではないでしょうか?

    下記図1は「マズローの5段欲求」と言われるもので、人の欲求を5段階で表したものです。これらの欲求が下から順番に満たされることで、人は意欲を向上させることができます。
    目標を意欲的に設定してもらうため、Want toの目標を設定してもらうためには、5つの欲求を満たしながら意欲向上を図る必要があります。
    「生理的欲求」や「安全の欲求」は、待遇面、衛生環境面などを最低限整える必要があるでしょう。
    そして「所属の欲求」を満たすために必要なのが、アクノレッジメント(承認)の技術です。
    アクノレッジメント(承認)には次の3つがあります。
    存在承認:相手の存在に気づいていることを伝える
    ⇒例)「最近よく頑張っているね。」「○○さんおかげで社内が明るくなるよ」
    成長承認:成長点を的確に伝える
    ⇒例)「入社したばかりの時と比べると、本当にしっかりするようになったね。営業成果も着実に出せるようになってきているね」
    成果承認:成果を伝える
    ⇒例)「今月は過去最高の成果でしたよ。おめでとう!」

    このように、アクノレッジメント(承認)の技術を使うことで、欲求充足を図り、社員の意欲が向上すれば、主体的にWant toの目標を設定する動機付けができるのです。
図1マズローの5段欲求と意欲向上の方法

甘いマネジメントにならないのか?

コーチングを甘いマネジメントになると間違って捉えている方は多いと思います。
しかし、そもそもコーチングは「目標達成」を目的とする技術です。
最も厳しいマネジメント技法と言っていいでしょう。

「なんでそんなこともできないんだ!」

こんな言い方で社員を否定し、コーチングとは真逆のマネジメントを行った場合、結局は「社員に任せられずに自分でやる」という状態になっていないでしょうか?
その結果、社員は社長に依存することにはならないでしょうか?
「何もやらなくても、最後は社長がやってくれるから」という状態になっていないでしょうか?
口調は厳しくても、甘いマネジメントになっているのではないでしょうか?

コーチングは成果を求め続けるマネジメント手法です。
そして、成長を促すマネジメント手法です。

ブラザシップの経営支援サービスとコーチング

私たちブラザシップの経営支援サービスは、「財務を軸にしたコーチングスタイルのコンサルティング」です。
私たちがコーチとなり、経営者の方の「目標達成」を支援します。
経営における目標は財務数値で図ることができます。現状も財務数値で図ります。この現状と目標のギャップが課題となり、やるべきことが見えるわけですから、目標達成には財務の見識が必要不可欠になります。

コーチングのプロセスを見ると、経営者のコーチングには財務が不可欠なことがよくわかります。

図2:コーチングプロセス

財務とコーチングはとても相性が良く、経営のご支援をするには最適な技術ではないかと思います。
経営者が自分の力を引き出し、目標達成する姿を見ることが私たちの喜びであり、事業ミッションです。

コーチングの技術を社内に浸透させると、社員が主体的に動く組織を作ることができます。そのためには、社長がコーチングの効果を体感されるのがいいと思います。
まずは、社長がエグゼクティブコーチングを体感されて、社内へのコーチング技術の浸透、特に幹部への浸透を図られてはいかがでしょうか?

経営者の潜在力を引き出す、ブラザシップの経営支援サービスにご興味のある方はぜひお問い合わせください。

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